雨と風とロック
私は元気です。
フェスに行ってきた。
1年に1回の幸せな土日。
去年僕はこのフェスでフェス童貞を卒業し、人生で最高のバンドに出会った。(このバンドはフェスに出ていた訳ではない)
今年も最高に楽しかったし、涙が出るほど感動したし、こんな風になりたいとたくさん思う2日間だった。
ただ、きっとこのフェスに参加した全員にもう一つの思い出ができたはずだ。
それは、土砂降り。
1日目は大雨に降られ、2日目はその雨を吸った泥との闘い。
みんな服も靴もぐちゃぐちゃ。
僕らも最終日早めに切り替えて、温泉に行くことにしたのだが、
足が汚すぎて温泉に入ることもできない。
温泉の方にジョウロを出してもらって、足を洗ってからの入店。汚れた靴(クロックス)は靴ロッカーにはしまえず、そのまま置かせてもらった。
その後のお風呂はここまでかというくらいに気持ちよかった。
温泉に30分しか時間を取れなかったことを未だに後悔している。
急いでお風呂からあがり、お会計にいくと
ジョウロを貸してくれた方が小声で言った。
靴あの子が洗って、拭いといてくれたから。
!!!!
何というおもてなし!何というホスピタリティ!
僕は感動して、(フェス会場に長くいたこともあるかもしれない)温泉にはにつかわない声を出してしまった。
靴を綺麗にしてくれただけでなく、私が綺麗にしといたではなく、あの子が拭いてくれたんですよと。
恩を売ってこない、素晴らしい対応である。
僕は綺麗にしてくれた男性にお礼を言った。また、大きな声で。
するとお兄さんは
とっても楽しかったようですね。
・・・
このタイミングでその答えよりもいい答えが未だに見つからない。
大丈夫ですよ。でも、大変だしたね。でもなく。とっても楽しかったようですね。
そうだよね。
楽しくなかったら足がこんなになるまで遊ばないよね。
さっきまでの大声とは打って変わって、小さな声しか出せなかったが、流石に感謝は伝わったはずである。あんなに感動したからね。
お兄さん、あの温泉のおかげであのフェスにいた誰よりも雨の思い出が良いものに昇華されたと思う。
ありがとう。
人のマイナスをプラスに変える。
なりたい憧れの人が今年の福島にはまだ残っていた。